シラバス参照

番号
(A1)-03 
履修コード
1108Z1 
科目名
文学Ⅰ 
科目英語名
Literature Ⅰ 
科目区分
教養科目A 
授業形態
講義 
入学年度
 
開講学期
前期 
履修対象
全専攻1年次・選択 
資格科目
 
期間・曜日・時限
前期 月曜日 7・8限 3301/301講義室
単位数
定員
166名 
担当教員
高橋明彦 

授業概要
福永武彦『草の花』を講読します。
『草の花』は、汐見茂思(しおみしげし)という主人公を通して、普遍的でも問題提起的でもある、ある青春のかたちを、鮮烈に純粋に描き出した傑作です。美しい文体と、巧みな構成、人物、状況、感情を表現していて、おそらく特に小説好きでなくとも、のめり込んで読めるだろう魅力的な小説です。こんな作品を、まずは手軽に読み始めることから入って、青春や愛や友について考え、さらには近代日本文学および二〇世紀小説の表現形式についても考えます。 
到達目標
大学生の一般教養として、文学作品を読む力を養うために、一冊の本を読み通す、読み切る、ということを第一の目的とします。
また、内容的には次の3点を心掛けます。1、2、3の順に難度が上がるので、是非挑戦してください。
1. 作品のストーリーを理解する。感情移入したり、違和感を持ったりして読む。
2. 作品の背景となっている事実、地理・歴史、芸術作品や哲学思想などを参照しつつ読む。
3. 作品の主題が必ずしも一意には決定されないことを知り、それを自分の価値観と関係づける。 
授業計画
講義・講読形式で授業を行います。作品は全四章から成っていて、週割りと章・各主題との対応は次の通りです。

1回 冬(1)詩人のサナトリウム
2回 冬(2)肺葉摘出と二冊のノオト
3回 第一の手帳(1)内海ー伊豆H村
4回 第一の手帳(2)フィジックな要素
5回 第一の手帳(3)オリオンの滴り
6回 第一の手帳(4)舟の月明、岬の瞳
7回 第二の手帳(1)春のショパン
8回 第二の手帳(2)孤独な信仰
9回 第二の手帳(3)戦争と草稿
10回 第二の手帳(4)火山ー信州O村
11回 第二の手帳(5)召集令状
12回 春(1)私と汐見茂思
13回 春(2)或る永遠なもの
14回 関連作品に触れて
15回 二〇世紀文学について 
予習・復習
授業の週割り分は事前に読了しておいてください。また、レポート作成のために何度も読み返してください。 
教科書
福永武彦『草の花』新潮文庫 649円(定価)
教科書は初回から使います。学内の売店(かゆう堂)でも販売しています。 
参考書
特になし。 
教材
講義資料は、WEBで閲覧できます。毎回の感想はネット経由(googleクラスルーム)で提出してもらいます。こうしたことが出来る環境が必要です(ふつうのパソコンなどで大丈夫だと思います)。 
履修上の注意
特にありませんが、本授業では、これまで同じ作者・福永武彦の『忘却の河』を教科書として読んできました。余裕があれば、そちらもオススメしますが、『忘却の河』講義は既に完成型に達しましたので(論文も書きました)、別の作品をと思い、過去に扱ったことがあるのですが、今年から、改めて『草の花』を取り上げました。
https://kanazawa-bidai.repo.nii.ac.jp/records/698 「忘却の河石の覆流-福永武彦二〇世紀小説私注」 
成績評価
評価の方法:レポート1回40%(学期末)。毎時間の感想の提出60%(毎回)
評価の基準:
[S]上記の到達目標が3まで極めて優れた視点と表現力を持って達成されている。
[A]上記の到達目標の3までが達成されている。
[B]上記の到達目標の1がおおむね達成されている。
[C]上記の到達目標の1がとりあえず達成されている。 
主担当教員

高橋 明彦